かぜ・そら・とりのブログ

気ままに、のんびり。

2021-01-01から1年間の記事一覧

湯おけの下の誰かさん

学生時代にひとり登山で入山口のお宿に泊まったときの話。 早く着いたのでまずはお風呂に行った。誰もいない浴場は外の光で明るくて奥の方の窓辺に大きくはないけど気持ちよくお湯が満たされた湯船があった。 私は小さなイスに腰掛け、湯おけで湯船からお湯…

夏の日のあっぱっぱ

夏らしく暑い日が続いている。夏の休日が好きだ。 早朝のひんやりした空気、扇風機の優しい風、明るい光、濃い緑、蝉たちの大合唱、冷たいお茶のグラスにぶつかる氷の音、冷やした白玉団子と餡子の甘さ。 家にいる時の定番服は、薄い綿のサッカー生地ででき…

重たいおしりを動かすパワー

社会の中で人々の共感を得て、行動してもらったり、行動しないでもらうのは、大変なことだ。手洗いをしましょう、会話の時はマスク着用願います、不要不急の外出は自粛しましょう、などなど、どれもそれなりの根拠があって人々に呼びかけていることだと思う…

技術者冥利のカレーライス

夫は家事全般を率先してこなす。技術者なのでぴっちりこなす。 各種ゴミ出し日を把握し、正しい分別。洗濯機の洗剤の量には厳格だ。洗濯する衣類の量に合わせてメスシリンダーでも取り出しそうだ。翌日の天気予報を確認の上、脱水までか、乾燥までか判断しタ…

そもそも「あたりまえ」の考察

コロナウイルスの蔓延で世の中がかわった。それはつまり「あたりまえ」と思っていたことが変わった、ということ。 毎日会社にいくこと/社内会議のために出張すること/接待する・されること/平日は外食でもかまわないこと(会社関係とかグルメ探訪とか)/…

パンスペルミア説

スタートレックシリーズが好きだ。特にThe Next GenerationとDeep Space Nine、Voyager。 スタートレックは太陽系外の宇宙を舞台にしている。地球人、知的で禁欲的なバルカン人、多毛なクリンゴン人、前髪ぱつぱつロミュラン人、なんだかかっこいいカーデシ…

梅雨明けの日に

新幹線に乗るため、最寄りのバス停から乗って1時間、終点のバスセンターで降りた。 バスを待つ人々が行き先ごとに床に引かれた線に沿って並んでいた。朝の通勤・通学時間帯で、以前は人でごった返していたと思うのだが、驚くほど、美しくて、そして静かな列…

なべて怒りもつごときかほして

何故覚えているのかわからない。高校生の時の現代国語の教科書か何かに載っていたのか。なにがトリガーなのかもわからないが、ときどき頭の中に浮上してくる歌がある。 遮断機に堰(せ)かれるゆふべの群衆よなべて怒りもつごとき貌(かほ)して 木俣修『冬暦』 …

ディスタンクシオンの衝撃

「ディスタンクシオン」はフランスの社会学者ピエール・ブルデューが書いた本、大著にして名著。単語としてはフランス語で「区別」を意味するらしい。たまたまNHKの「100分de名著」のブルデューの最終回の最後の10数分を目にして、面白そうだったのでその名…

給食

朝のお弁当作り。ガラスのボウルにモヤシとゴーヤの薄切り、鰹節をかけてお醤油を少したらして電子レンジで1-2分。チーンと鳴ったら出来上がり。 扉を開けたら、モヤシの香りがむわっと鼻腔を刺激して、不意に給食のことを思い出した。 小学校1年生の頃、内…

サンクチュアリ

蒸し暑い曇天の朝の散歩だけど・・・。 玄関を開けると、シャワシャワシャワシャワとクマゼミのみなさん、飛び立つ羽根音と共にスズメがひと鳴き、遠くでウグイスの声。 坂を下って、川(ミゾ?)沿いまで行くとセグロセキレイの澄んださえずり。 向こう岸の古…

対人耐性の低下

久しぶりに朝の通勤時間帯の街に出た。たまの出社の時も同じ時間帯だが、地下鉄を降りてすぐに会社のビルなので、プチ出張のために私鉄の駅まで地下街の雑踏(驚くほど雑踏だった)の中を歩くのは久しぶりだ。 早速、若い男女4人組が揃ってマスクなしで大声で…

元素レベルの存在

唐突に、何がきっかけなのかわからないが、ふと自分のことを思った。 「後世に名も残さず、子孫もなく、お墓だってない。 地球の長い歴史のほんの100年程度、ただ資源を消費した存在。 うわあ、たいへんだ。なんと哀しい存在だ。」 特に悲観主義者でもないの…

幸福の器

人それぞれが幸福を入れる器をもっているとしたら、かねがね、私の器って小さいんだろうなと思ってきた。器が慎ましいサイズだから、昔から、だいたいいつも充足度が高い。本人の幸福度は高いのだからそれでよいとは思うが、高邁な理想も夢もなく、渇望する…

赤の誘惑

何色が好きかと問われたら、黄色とか紫とか黒・・・とは答えないだろうなあ。お気に入りの黄色いカーディガン、紫のワンピース、黒いパンツ類はあるが。爽やかな白やブルーグレーやサックスブルーが好き、と答えるかも。自分の部屋の家具はそんな色だ。 でも…

笑われる勇気

夫は、2年ほど前から唐突にピアノを習い始め、このたび、教室の皆さんも参加して、小さなステージで発表会があった。 あがり症を自覚し、対策を模索したらしく、どこで知ったのか事前に「成功する音楽家の新習慣〜練習・本番・身体の戦略的ガイド〜」という…

足の新時代

左足の裏のウオノメが気になりだしたので、お薬を買ってきて、お風呂あがりに貼った。 あれ? 違う。足の裏の皮膚が以前より柔らかい。指の腹の角質化したトンガリが消えて、ふっくら丸みが出ている。踵もひび割れ無く柔らかくなっている。 そういえば、爪も…

観察

在宅勤務続きだったので、久しぶりにJRに乗った。快速で6駅、40分ほどのプチ出張だ。 通勤仕様の長いシートは、乗客でほぼ埋まろうとしていたので、私はサラリーマン風の男性と野生児っぽい男性の間におしりをうずめた。 野生児くんは全体的にはサッカーでも…

あだんが浜の桜貝

父の転勤で小学校の4年生から卒業まで海辺の田舎町に住んでいた。 家から少し歩いたところに「あだんが浜」があった。本当にそんな地名だったかはわからない。子どもたちが「あたしたちの浜」という意味で単にそう呼んでいただけかもしれない。 浜の横を通る…

孤高じゃない人

学生時代、ワンダーフォーゲル部だった事もあり、新田次郎の文庫本を夢中になって読んだ。その中に「孤高の人」があった。もう、どんな物語だったのか忘れてしまったけど、主人公「単独行の加藤文太郎」の孤高を描いた物語だ。 ワンゲル部の活動では通常4~6…

マツダ ファミリアとキャラメルコーン

父はものすごく不器用で、運転免許の教習所に通っている時もかなり苦労しているように見えた。ハンドルをくるくるくるっと回す動作がよほど出来なかったと見えて、クッキーが入っていた丸い空き缶をひっくり返し、真ん中の1点に釘を打って短い角材の先端に緩…

海辺のとても古い家

父の転勤で、海辺の田舎町のえらく古い家に住んだことがある。10歳の頃なので、ほぼ半世紀前の話。 海岸から300mほど入った小道沿い、向かって左から、2階建ての主屋、トイレと洗面台がある屋根続きの平屋の離れ、その離れの一番右の端に付け足されたような…

雲の一意性

梅雨らしく、本日は朝から雨模様。空は一面薄い灰色。ざんねん。 雲を眺めるのが好きだ。気圧が不安定なときは特に鼓動するみたいに山際から押し寄せてくる雲や、複雑な形が何層にも立体的にさまざまな形で重なる雲、真夏の真っ白な積乱雲、なぜだか命のあり…

マロン

夫婦してモノに愛称をつけがちだ。それなりに愛着を持って接しているとも言えるが、ただの癖。 昔、私の職場に給茶器が2台、西側と東側にそれぞれ置かれていた。一緒にお弁当を食べていた友人と「キューちゃん」「チャッキー」と命名し、ボタンを押して、お…

59才会社員なう。

定年まであと1周ちょっととなった。 この1ヶ月の間にいろんな方々のブログを拝見して、初めて「セミリタイヤ」「アーリーリタイヤ」「FIRE」という言葉を知り、そんな生き方の選択があるんだなあ!と、ハタと立ち止まった。 来年度、60歳になると一応の区切…

カトリック教会の鐘の音

育った町のカトリック教会の鐘の音を思い出した。 カラーン、コロンカラーン、コロンカラーン・・と高く乾いた音色で谷あいの町によく響いた。毎日夕方6時に鳴っていたと思うが、もしかするとお昼と日曜日の朝のミサの時間にも鳴っていたのを忘れているのか…

赤いお屋根のカトリック教会

実家があった町は、カトリックの方が多い土地柄だった。今思えば、日曜日の朝には近くの教会のミサに家族で行くような敬虔な信者さんも周りに少なくなかったような気がする。古くからそこに住んでいる方々で、いくつかの苗字の家々はほとんどカトリックだっ…

手作りおやつ

昨年の春、1回目の緊急事態宣言が発出されてからというもの、ほとんど外食をしなくなり、気づけば食生活がずいぶん変わった。おうち時間が長くなって、おやつやデザートも手づくりが増えた。 オーブンの酷使による焼き菓子。 ヘビーローテーション1位はバス…

四半世紀はあっという間

今朝の在宅勤務まえのウオーキングは近所の神社までの往復。梅雨の晴れ間、玄関を出た瞬間に少し蒸し暑さを感じる。坂を下って約1.5Kmほど歩くと小さな神社に着く。以前、そこの禰宜さんだったかの話によると、周りを取り囲む楠の木がとても大きい(中には樹…

実は内向型だった

いつも快活、リアクションも大きく元気いっぱい、初めての人とでもよくしゃべる、わいわいと賑やかな場で大きな声で笑っている、というのが一般的な私のイメージなんじゃないかなと思う。自他ともに認める「外向的なひと」といったところ。 この1年、コロナ…