夏らしく暑い日が続いている。夏の休日が好きだ。
早朝のひんやりした空気、扇風機の優しい風、明るい光、濃い緑、蝉たちの大合唱、冷たいお茶のグラスにぶつかる氷の音、冷やした白玉団子と餡子の甘さ。
家にいる時の定番服は、薄い綿のサッカー生地でできたひざ丈のシンプルなワンピースだ。襟なし、袖なし、ウエストの締まりもなく、ギャザーもフレアもタックもない。着るときは、ただワンピースの裾から頭と両腕を突っ込んでそれぞれのアナから出すだけ。
なにしろ涼しい。袖付きのTシャツ、短パンなんて着ていられない。丈の長いワンピースも生地と熱が足にまとわりついてだめ。
こうしたワンピースは締め付けがなく、サッカー生地のでこぼこで肌に張り付かず、あぱあぱと風通しがよい。祖母や母は「あっぱっぱ」と呼んでよく着ていた。
昭和へのノスタルジックな思いが湧いてくる。実家の板張りの床のひんやりした感覚や、家族でお膳を囲んで食べたお素麺やスイカ。
私は母のワンピースとほぼ相似形のワンピースを着ている。日焼けした細い手足、髪の短い、まだ痩せて小さな女の子。何の不安も不満もなく昭和の夏を過ごしている女の子だ。
例の如く、念のため「あっぱっぱ」をググってみた。あっぱっぱは我が一族が勝手に面白がって言っているだけかと思ったら、歴史や語源があった。
「UP A PARTS」が語源だなんて、ホントに??