かぜ・そら・とりのブログ

気ままに、のんびり。

「花鳥風月」説

先日、久しぶりに知人Mちゃん(58歳)に会ってお互いに近況を話した。彼女は3月に仕事を辞めて以来、コロナ禍もあって、ずっと家にいるらしい。

聞けば、朝のベランダでのストレッチ50分に始まって、楽器3種類の練習やボランティアの縫い物など毎日趣味三昧とのこと。とても外交的でアクティブな人のはずなのだが「どこにも行かないけど、すっごく楽しい!」と声を弾ませた。

「私も自分の内向的なところを自覚したよ。庭のお花やスズメさん見ているだけでとても楽しいの。」と返したところ・・・、

 

「花鳥風月が気になり始めたら、死期が近いらしいですよ」「え?!」

 

そのまま家に帰ってきたけど「死期が近い」と言われては落ち着かない。花鳥風月って美しい自然の風景や風流のことじゃなかったっけ? おまけに私のブログのタイトルには、すでに「鳥」と「風」が入っているんだけど。

 

ググってみた。以下、ぱらぱらといろいろな方のブログ等にでていたそれらしい情報。

 

2013年頃。井上陽水さんと山田五郎さんが「NHKマニアックカタログ」という番組の対談の中で「タモリさんが言ってた話」として「花鳥風月で老化の進み具合がわかる」ことを話題にしたらしい。

 

2020年になり、4月3日に放送された「アナザースカイⅡ」という番組で柴田理恵さんが「タモリさんによると・・」と同様の内容を語ったようだ。ただ、複数の検索結果にでてきたタイトルでは

柴田理恵「人間は『花鳥風月』の順番に興味が移る」説を提唱

提唱? なんだか柴田さんが大仰な主張で人々を教え諭そうとしているかのよう。

 

更にググったら、2012年に書かれたブログを見つけた。NHKの「ブラタモリ」でタモリさんが言っていたと書かれているところを見るとこの辺りが発端のように思える。

人は歳をとると「花鳥風月」が好きになる。最初は花を含む植物に興味を示し、次第に鳥から風に移り、最後は月を眺めていいなあと思うようになってきたらボチボチお迎えがくる。

だいたいこんな意味のことをおっしゃったみたいだ。タモリさんらしくウイットに富んだ、ユーモアあふれるご発言だったのではあるまいか。

 

その後も2017年や2019年にも「以前タモリさんが言っていた・・」と書いている人がいたり、2020年に奥様から言われて調べてみる人がいたり・・・。

書いておられるブロガーさんも、「自分は鳥」、「あたしはもう『風』」(これは柴田さん)、「花にたどりついた」と年齢も思いも様々のようだった。

 

タモリさんのオリジナル理論なのかどうかは不明だが、タモリさんだったらさもありなんと納得できる。それにしても、長年にわたって多くの人が取り上げるとは、相当なインパクトを持つ一家言である。やはり「提唱」に値する説と言えるかも。

 

んも~、Mちゃん、脅かさないでよお〜。いくら、お医者さんの奥さんだからって、「死期が近い」は言い過ぎでしょ〜。その表現、ヤメて~。

 

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夫くん、定年おめでとう。

夫が新卒の入社以来36年超の長きにわたって勤めてきた会社を、9月末に定年(扱い)退職した。人生で一度きりの1日だから晴れやかな思いでいてほしくて、私なりにばたばたした。

 

朝、最終日ということもあって、本籍の会社(出向元)へ挨拶がてら出社する夫(いつも通りのカジュアルなB.D.シャツ・チノパン姿)と、軽く二人で自撮りの記念撮影。栗入りお赤飯のお弁当には、ハート型の型でくり抜いたニンジンをトッピングし、慶祝ムードを演出。

私の在宅勤務を15時に切り上げ、お花や食材を買い出しに出かけて、戻ってからケーキを製作。

夫は床屋さん経由で頭をサッパリさせて19時過ぎ、大きな花束を抱えるでもなく、帰ってきた。

祝賀会(夕食)のメニューは、お赤飯(また炊いた。実は私の好物)、鯛の切り身のお吸い物、盛り盛りお刺身3種、粉糖でお化粧してシャインマスカット数粒を添えたチョコレートケーキ。モエ・エ・シャンドンのチビボトルを開けて「おつかれさま〜」の発声とともに乾杯。

(前夜、緊張のためか眠り浅かったこともあってツカレタ〜)

 

定年退職のこの日、夫の胸にはどんな思いが去来したのであろうか・・・と思ったら「あっけなかった」そうだ。職場で臨時夕礼が開かれ部長さんあたりから「え〜、○○さんは、本日めでたく定年をお迎えになりぃ・・・」と紹介されたあと、スーツを着た退職者が挨拶、そして花束贈呈、職場の皆さんからの温かい拍手に送られて会社を後にする、なーんてことは一切無くて、何人かとおしゃべり(ご挨拶?)して、夕方には「こんな感じ?」といぶかりながら普通に会社の門を出てきたらしい。

コロナ禍の緊急事態宣言中に出向中の身で迎えた定年退職日。ここまでにそれらしい飲み会もなかったし、出向元の部署は夫の出向後に消滅し、同期も既に退職してしまっていたり残っていても在宅勤務だったりで、あっけなさも仕方ない。

 

私にとっては、10代の頃から知っているひょろひょろくんが、会社員としていつも真摯で誠実に向き合ってそれなりに成長してきた姿をみてきた。「成長」が単に「歳をとっただけ」かもしれないけど、健康で穏やかにやってきた夫を誇りに思っている。だから、この一区切りをささやかながらもお祝いしたかった。

 

夫は翌日、再就職先(前日までの出向先)にいつも通り出勤していった。夫の仕事の内容はこの日を境に特に変わることはないと思われる。単なる手続き上の通過点と言えるが、昨日までとは違うものが見えてくるかもしれない。目には見えないけど、こちらとあちらでは何かが違う、国境を超えるときみたいに。夫の2nd stageにますますの幸あれ~と願う。

 

そういえば、コロナ禍に起因するあっけなさがもうひとつあった。通常、定年退職者たちは会社が主催する式典みたいなものに出席して、その中で退職金の目録?がそれっぽく”授与”されていたらしい。ちょっと前の休日、ピンポーンと郵便書留が夫宛てに届いた。封を開けたら予期せぬソレが入っていた。

即ち、夫はさっきの郵便屋さんから退職金をもらった、みたいなことになって苦笑していた。

 

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ポエティック モード

以前、ちょっとだけ広告関係の仕事に関わったことがある。パンフレットやカタログを作る時にカメラマンさんたちと接する機会があった。

プロとして写真を撮って生業にするなんて、クリエイティブでカッコいい。どうしたらそんな職業につけるだろう。きっとそういう学校に通ったり、著名な写真家の弟子についたりした人なのだろう。と、思ったらその筋の人(どんな筋?)が言うには「カメラマンです、と名乗ればオッケー」とのこと(ホントかなあ?ただし、カメラを持っていることが条件のようだが)。

 

確かに、本人の良心が許せば、または勇気があれば、「カメラマン」でも「イラストレーター」でも「デザイナー」でも名乗ったもの勝ち、名刺の肩書も自由なのかもしれない。むろん、それとお仕事をもらえるかは別物である。


もし、「私は詩人です」と名乗れたら、なんと素敵なことだろう!

 

カメラマンにカメラが必須であるように、まずは、詩を書かねばなるまい。

  詩人はいいなあ 綴る言葉は 詩になるもの

  画家はいいなあ 描くものは 絵画になるもの

  歌手はいいなあ その声は 歌になるもの

・・・ダメっぽい。

 

iPhone13のシネマティックモードで、まるで映画のような動画が撮れるらしい。“映画っぽさ”が視線の先へのピント合わせだったとはびっくりした。

 

MS -Wordに、駄文でも詩人のそれっぽく変換される”ポエティックモード”ができたら、私の場合、その機能を最大限使った方がいいかもしれないな。

 

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王子さま・お姫さま作戦

夫は普通に家事をやってくれる。私より何かとハイレベルだ。それに、何かと気遣い、心配して私の世話もやいてくれる。自称「下男」と言いつつ。

夫が人生論など語ることはほぼない。私は自分のことは棚に上げて「もしや、なにも考えていない、つまんない人なの?」と思ったりする。

私が吠えかかり噛みつき罵詈雑言を浴びせても「この女、凶暴につき」とかつぶやいて静かに嵐が過ぎるのをまっている(北野武監督の映画タイトルをもじった?)。

 

ある時、ふとマザー・テレサの言葉を目にした。

Love is doing small things with great love.

大きなことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです。

夫の日々の小さな優しさのことだ!と、はっとした。great love だ!

 

お互いに小さな優しさで日々を重ねることが、大切なことなんだ。夫の人生哲学ってもしかしてこれなのかも? 私も一緒に優しく穏やかに暮らしていこう。そうだ!静かな小さなお城で慎ましく幸せに暮らす王子さまとお姫さまだ!

と、思ったら、もやもやしていた目の前の霧がすっかり晴れた気がした。

 

夫に、当たり散らしてごめんねと告げ、あなたはわたしの「王子さま」だよ!と晴れ晴れとした気分で高らかに宣言した。

夫は穏やかに微笑んだ。「士農工商の『農』だね」と。

 

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※※※私が小学生のころ、「士農工商」は江戸時代に幕府がつくった身分制度と教科書で習った。特に苦しい生活を強いられてる農民を上から2番目において不満感を減らそうとしたという内容だったように思う。近年、実態に合わず不適切として教科書から消えているそうだ。と、少し前に知った。

 

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目玉の裏側?

ソファーに転がって文庫本「去年ルノアールで 完全版」(せきしろ著)を読んでいた。あまりに可笑しくて、あはあはあは・・と何度も声をあげて笑っていたら、背後の食卓で様子を見ていた夫が言った。

「なに?目玉の裏側でも見えた?」

遠慮なく一人でアハアハ笑うことを「目玉の裏をみる」などと表現する慣用句でもあったかしら?と思ったら、

「昔、そんな本読んでたよね?」

と、言われてて理解した。原田宗典の著作のことだ!「スメル男」だか「スバラ式世界」だかどの本だか忘れたが、「目の治療のために、お医者さんが眼球を取り出して処置するところを、もう片方の眼で見ていた」というようなお話しだったと思う。

 

原田宗典の本にお腹が捻れるほど笑っていたのは、もう20年以上前のことではなかろうか。驚くべきは、唐突にその事を持ち出した夫の記憶だ。よほど可笑しくて私が夫に話してきかせたのだろう。決して、何でも良く憶えている人というわけではないのに、ヘンな事に限ってやたら憶えているなあ。

 

また読んでみたくなって、昔読んだ本を詰め込んだ箱を開けてみたが、残念ながら残っていなかった。原田宗典のペーソスとユーモアがものすごく気に入って何冊も持っていたはずなんだけど、3年ほど前に黄ばんだ文庫本はほとんど手放したんだっけ。本を手放すとき、こういう残念な事態が起こることへの覚悟をしたはずなんだけど。

 

いま読みながら大笑いしている「ルノアールで」は中古品(2008年発行)を購入したばかり。「妄想エッセイという新ジャンルを切り開いた無気力文学の金字塔」と帯に書いてある。まだスタバが街にそんなにない時代の「喫茶室ルノアール」。薄暗くてタバコ臭い昭和な感じが、私の「ペーソス好き」センサーをくすぐってくる本だ。

 

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ノスタルジック・ウオーキング

台風14号が過ぎて、昼過ぎから晴れ間が見えだした。最高気温は26℃。ずいぶんと涼く感じられるようになった。気持ちよくて、うとうとしながら本を読んでいたら、ウオーキングに出かけるのが夕方になってしまった。

 

カンカンカンと遮断機の音に振り向くと、やがて2両編成の列車がやってきて、川にかかる小さな鉄橋をごとごと言わせながら渡って行った。

 

その向こうの雲間から柔らかな夕陽がさして、黄味がかった光が、緑色の田んぼの上に筋を描いていた。台風で少しなぎ倒されてはいるが、たわわに実った稲の横に彼岸花の赤い列のコントラスト。背景が、切り売りされた田んぼに新しく建てられた今風の戸建ての並びってのはちょっとざんねん。

 

薄暗くなった帰り道、家々の明かりがぽつぽつ灯って、夕餉の煮炊きの匂い、そして仏壇のお線香の香り。まだ遠くでツクツクボウシが鳴いている。

 

街路樹の枝葉のシルエット越し、山の稜線の上に満月にちょっと足りない丸い月が見える。昔読んだ童話の挿絵が浮かぶけど、本の題名は思い出せない。鼻の奥にその頃の空気を感じるんだけど。

 

懐かしいなあ。昭和の風景だなあ。もう、秋だなあ。

 

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夫くん、もうすぐご卒業

夫は59歳の誕生日前であるが、この9月末で、ちょっと早めの定年(扱い)退職することとなった。退職と言っても、現在の出向先にそのまま雇ってもらえる転籍なので、通勤先も仕事の内容も変わらないのだが。

 

6月頃、会社から転籍の打診があってから、何やらExcelの表をせっせと作ってみたり、先輩や同期の人と連絡を取ったりして、夫なりにどうするか悩んでいた。が、今の出向先での仕事が気に入っていることもあり、一区切りつけてセカンドキャリアとしてやっていこうと、ご決断に至ったようだった。

 

しばらく会社から送ってくる保険や退職金関係の書類で休日もずいぶんと忙しそうだったが、9月初めに出し終えて、ちょっと落ち着いたみたいねと思ったら、今日、会社で人事異動情報がOPENになったらしい。

 

「どんな気持ち?」ときいたら、出向元のメールアドレスがなくなったり、イントラが見れなくなるのが寂しいかなあとつぶやいた。

定年退職ときいた知人たちから「お疲れさま」と言われることには、どこか違和感があるらしい。36年以上勤めた会社を辞めるという実感がまだわかないのかな。

 

私の方は、あと1年半ほどで定年退職。そのあともひとまず嘱託社員として今のまま働く、という意思を示す書類を、先日、会社に出した。今の仕事はまあ面白いし、在宅勤務ベースだったらまあいいかなと。(結局、ちっとも考えていない・・・)

 

まずは夫の方から、盛大に卒業を祝おう。と言っても、いつも通り2人でおうちディナーだが、今からメニューを考えている。もち米の入ったお赤飯、奮発したお刺身、鯛のお吸い物もあった方がいいかな。デザートには、チョコレートのケーキを焼いて、大好物のイチゴを添えよう(季節的にブドウあたりに落ち着くかも)。テーブルを飾る花とメッセージカードも忘れずに。

 

私の方が感極まって泣いてしまいそうだ。なんのことはない、ただの通過点なのにね。

 

kazesoratori.hatenablog.com

 

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