かぜ・そら・とりのブログ

気ままに、のんびり。

目玉の裏側?

ソファーに転がって文庫本「去年ルノアールで 完全版」(せきしろ著)を読んでいた。あまりに可笑しくて、あはあはあは・・と何度も声をあげて笑っていたら、背後の食卓で様子を見ていた夫が言った。

「なに?目玉の裏側でも見えた?」

遠慮なく一人でアハアハ笑うことを「目玉の裏をみる」などと表現する慣用句でもあったかしら?と思ったら、

「昔、そんな本読んでたよね?」

と、言われてて理解した。原田宗典の著作のことだ!「スメル男」だか「スバラ式世界」だかどの本だか忘れたが、「目の治療のために、お医者さんが眼球を取り出して処置するところを、もう片方の眼で見ていた」というようなお話しだったと思う。

 

原田宗典の本にお腹が捻れるほど笑っていたのは、もう20年以上前のことではなかろうか。驚くべきは、唐突にその事を持ち出した夫の記憶だ。よほど可笑しくて私が夫に話してきかせたのだろう。決して、何でも良く憶えている人というわけではないのに、ヘンな事に限ってやたら憶えているなあ。

 

また読んでみたくなって、昔読んだ本を詰め込んだ箱を開けてみたが、残念ながら残っていなかった。原田宗典のペーソスとユーモアがものすごく気に入って何冊も持っていたはずなんだけど、3年ほど前に黄ばんだ文庫本はほとんど手放したんだっけ。本を手放すとき、こういう残念な事態が起こることへの覚悟をしたはずなんだけど。

 

いま読みながら大笑いしている「ルノアールで」は中古品(2008年発行)を購入したばかり。「妄想エッセイという新ジャンルを切り開いた無気力文学の金字塔」と帯に書いてある。まだスタバが街にそんなにない時代の「喫茶室ルノアール」。薄暗くてタバコ臭い昭和な感じが、私の「ペーソス好き」センサーをくすぐってくる本だ。

 

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