かぜ・そら・とりのブログ

気ままに、のんびり。

メダカさんたち

もしかしたら、もう10年は経つのかも知れない。ラーメン屋さんのオマケで白メダカをもらって、初めてメダカを飼い始めた。今では、玄関先に鉢が3つ、リビングの窓辺に水槽が2つ、普通色、白色、オレンジ色が混在し全部で30匹ほどのみなさんが暮らしている。

 

ヒトの姿を察知すると、ごはんちょーだい、おなかすいたよーとみんなで寄ってくるところが可愛い。元気にぱくぱく食べている姿に頬が緩む。水草の間を泳ぐ小さな姿、青空を透かしてみると空を飛んでいるみたいだ。時に、緩やかなピアノのジャズをBGMに、彼らが元気に動きまわる姿や水面が揺れる様を日がな一日眺めるという、至福のひとときをご提供いただいている。

 

以前、会社の若手男子が金魚を飼っていて、時折、金魚・メダカ談義をやっていた。その話っぷりからとても可愛がってるのがわかった。ところが、彼が奥さんとの離婚でごたごたしているうちに、金魚のお世話が疎かになり死なせてしまったそうだ。「別れようと思います」と告げた時より「金魚が死にました」と言った時の方がずっと悲しそうに見えた。

 

この小さな魚たちの命は私たちに委ねられている。食べ物を与えるほかに、夫が水を作り、私がときどき水槽のガラス面のよごれを拭き取ったり底に溜まった汚泥を吸い出したり。そうやって、このこたちの宇宙を作っている。こっちの鉢とこっちの鉢は別の銀河。隣にあっても存在すら知らない。私たち人間も似たようなものかも。

 

外の鉢のほうは、冬以外は毎日エサをあげることと、伸びすぎた水草をとること以外は基本的には水を足すだけ。夏は陽が当たってお湯寸前、冬は厚い氷が張ることもある。だのに、外のこたちの方が格段に長生きだ。5年以上生きて5cmをこえるこもいる。ヒトの介入が少ない方が彼らにとって喜ばしいことだとしたら、リビングで愛嬌を振りまいてくださっているみなさんに申し訳ないなあ。

 

いつからか夫は毎朝出かけるときに、水槽に向かってご挨拶するようになった。

「じゃあ、行ってくるね、メダカさんたち。」

とても律儀だ。

 

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