懐かしいものを見た。
出張のため、そう頻繁には利用しない駅で乗り換えの電車を待っていたとき、目に入った画像が直接、脳の“思い出コーナー”に刺さった。
3本の白い線が入った学生帽。いったい何年ぶりに見るだろう。詰襟学生服の高校生は何人も電車から吐き出されてくるのに、後にも先にも彼だけが白線入りの学生帽をセットでかぶった正装であった。よほど気に入っているのか、防寒か。
“思い出コーナー”には、夫くんの学生服姿も保管されていた。今朝の彼と同じく、ひょろひょろな体にダブつきぎみの詰襟学生服、そして白線入りの学生帽。その頃は帽子をかぶるのは規則だったが、イケてる男子たちはツバの真ん中を山型に折り曲げたり、全体をぺちゃんこに潰したりして不良っぽいカッコよさをアピールしていた。が、夫くんは「ど・ノーマル」でこれまた大き過ぎ感のある帽子をお召しであった。かれこれ半世紀近く前の思い出である。
その頃私はセーラー服。まさかあのひょろひょろくんと結婚して今に至るとは。
ちなみに私たちが通っていた高校の男子の制帽は白線が2本だった。中学生の頃、ほのかに気になっていた男の子の高校は白線が3本だった。きゅん。