かぜ・そら・とりのブログ

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一番古い記憶

お題「人生で一番古い記憶」

1番古い記憶ってきっとこれだ、と思っているものがある。
それは幼稚園の入園試験。昭和42年、6歳になる前の寒い時期だったと思う。

その幼稚園は子供の足で家から歩いて20分くらいのところにある小さなカトリック教会の1階。試験会場は別の棟(いつもシスターさんたちがいるところ)の教室みたいながらんとした部屋だった。

親から離れてひとりその部屋に入ると部屋の左側に先生の机が一つ。その横で先生と向かい合って椅子に腰掛けた。そして試験が始まった。
ウオーミングアップ的に自分の名前や両親の名前など問われ、難なく答えた。

それから、見せられたモノの数とかアラビア数字が言えるか数学的能力を問われる設問があったように思う。
佳境は先生が見せた色紙の色を答えるというものだった。赤、緑、黄色と澱みなく回答。最後は薄い紫色だった。
「さあ、これは何色かな?」
「・・・藤色!」
私の意外に古風な答えに、先生はクスッとしたような気がした。芸術性も申し分ない。

その後、低い跳び箱を跳び越える(跨ぐ?)など身体能力の確認、そして床に白いテープで描かれた横断歩道を手を挙げて渡って見せ、社会規範への適応性が測られた。

・・・と、だいたいこのような記憶である。

私の記憶は2-3日前のことでもあやふやだが、この日の記憶、特に「藤色」についてはなぜかことのほか鮮明だ。
先生が自分の発言に反応した。難問に正解した。家庭外の社会の中で、初めて自分が認められたような気がしたのかもしれない。プライド寄りの自尊心か「自信」のようなものを感じたのかもしれない。

 

なお、知的能力、身体能力、社会性、そして何より、その従順さ(これはその後の会社生活でも大いに発揮された) が評価され、入園を果たしたのだった。

(誰でも入園できる近所の幼稚園ですけどね。)

 

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