近くに住む弟がたまったマイルで買ったのか、ANAの冷凍された機内食をくれた。私は仕事が長引いたときにチン!と手軽に食べたかったのだけど、夫がどうしても翌日がお休みの日の夕食としてゆっくりお酒と一緒に食べたいと言ってきかなかった。それで仕方なく2週間ほど冷凍庫に眠らせて、ついに本日がその日となった。
機内食と言えば海外旅行だ。コロナになる前は数年に1度の割合で清水の舞台から飛び降りるつもりで海外旅行に行っていた。興奮と緊張のうちに飛行機が離陸。やがてキャビンアテンダントさん(私の時代はスチュワーデスさんだが)が飲み物を持ってきてくれると迷わずワインをお願いした。プラスチックのコップに注いでくれることもあれば、カップと一緒に小さな瓶をそのまま渡してくれる航空会社もあった。
貧乏性なので、タダだからたくさん飲もうと思ってしまったり、時差ボケしないように長いフライトの間、アルコールの力で少しでも眠っておこうという意図もあった。でもやっぱり飛行機の中でワインを飲むということに妙にわくわくしていたのだと思う。「夕食」と定義された機内食の香りが漂う頃、またワインを飲み始め、なんとも夢のような旅の高揚感に包まれていく。
というわけで、貰い物の機内食が我が家の電子レンジで温まったところで、夫が「城達也のジェットストリーム」のオープニングテーマまでネットから探し出し、心ならずも機中の人となった。
遠い地平線が消えて
深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
たゆみない 宇宙の営みを告げています・・・
どちらかと言えば、海外旅行に行きたがっていたのはいつも私のほうだった。しかし、こんな海外旅行もままならない世の中になってしまったことに、寂しさを覚えていたのは夫も同じだったのだろう。早くまた行けるようになるといいね・・・。
さて、くだんのANAさんの機内食は「ビーフハンバーグステーキ」と「大阪大黒ソースカツカレー」。夫の望みどおり、ワインを飲みつつ、そんな雰囲気に浸りかけた時。
これからのひと時。
日本航空が、あなたにお送りする
音楽の定期便。「ジェットストリーム」。
皆様の、夜間飛行のお供を致しますパイロットは、
わたくし、城達也です。
あ。JALさんの提供番組だったのね。
ANAさん、JALさん。また、いつか素敵な旅に連れて行ってくださいね。